「こころの体温計(メンタルチェックシステム)」とは?
「こころの体温計」は、いくつかの質問に答えることで、気軽にこころの状態をチェックできるシステムです。
携帯電話やパソコンから利用できます。「こころの体温計」(外部サイトへリンク)
内容
「本人モード」は、いくつかの質問に答えることで、ストレス度や落ち込み度の結果がイラストで表されます。
そのほか
「家族モード」
「赤ちゃんママモード」
「ストレス対処タイプテスト」
「アルコールチェック」
「こころのエンジン」
「睡眠障害チェック」
「いじめのサイン」New!
「ギャンブル依存チェック」New!
があります。
また、チェック結果と合わせて、内容別の相談機関の情報も表示されます。
目的
こころの状態をチェックすることで、自分や身近な人のこころの健康、こころの状態に関心を持っていただくことを目的としています。
この事業は、港区が「自殺対策推進事業」の一環として実施するものです。
その他
個人情報は取得しません。
利用料金は無料です。通信料は自己負担となります。
このシステムは医学的診断を行うものではなく、ストレスや心の状態に関心を持っていただくためのものです。結果に関わらず、心配なことが続くようでしたら、早めに専門家の相談や受診をお勧めします。
ストレスとは?
上手に付き合うためには、まず相手を知ることが大切です。ストレスに関する基本的な知識を身につけましょう。
ストレスの正体は、下図のように、ストレッサー(ストレス反応を引き起こす原因)とストレス反応(ストレッサーによって引き起こされた結果)、そして、ストレス耐性(ストレッサーによる影響の受けにくさ)にわけて考えられます。ストレッサーやストレス反応は人により様々です。ストレス反応を小さくするためには、ストレッサーを解決・解消するアプローチと、ストレス耐性を高めるアプローチ方法(ストレス対処法を身につけること)があることがわかります。
■ストレス反応
(1)身体面
不眠、睡眠過多、食欲不振、過食、胃痛や胃もたれ、下痢や便秘、頭痛、高血圧・動悸・不整脈、肩こり・腰痛・背中の痛み、息苦しさ・過呼吸、ED(勃起不全)など
(2)心理面
落ち込む、イライラ・怒りっぽくなる、不安感・緊張感、無気力・なげやりになる、やる気がない、悲観的思考・否定的思考、集中できない、自分を責める・他人を責める、楽しめない・面白くない、寂しい・人恋しい、誰にも会いたくない・引きこもるなど
(3)行動面
アルコールやタバコの量が増える、遅刻・欠勤・出社拒否、ミスが増える、事故、現実逃避、アルコール依存・ギャンブル依存など
■ストレッサー
(1)心理的なもの
不安・恐怖・失望・悲しみ・喜び・挫折感など
(2)化学・物理的なもの
天候・光・冷暖房・騒音・臭気・テクノストレスなど
(3)生理的なもの
過労・病気・睡眠不足・空腹・月経・妊娠・出産など
(4)社会的なもの
家族の病気・家族の死・受験・入社・転勤・昇進・退職・引越し・結婚・離婚・老後への不安・経済的問題など
適度のストレスは、人生のスパイス
ストレスをすべてなくすことは不可能です。反対にストレスのまったくない状態が必ずしも望ましいわけではありません。
下図のように適度のストレスは私たちの行動を活性化し、快適でハリのある生活を可能にしてくれます。
ストレスを解消したり、受け止め方を変えるなどストレスをコントロールする方法(セルフケア)を身につけることが大切になります。
気分を変えてみる
意識的に気分を変えることで、ひとまずストレスとなっている問題から離れてみることも有効です。
音楽を聞く、アロマテラピー、ハーブティー、温かい飲み物、感情を刺激しよう
音楽を聞こう
意識的に気分を変えることで、ひとまずストレスとなっている問題から離れてみることも有効です。
音楽を聞く、アロマテラピー、ハーブティー、温かい飲み物、感情を刺激しよう
アロマテラピー
香りの有効成分が精神的な疲れを緩和します。
アロマテラピーショップやハーブショップ、デパート等のアロマテラピーコーナーなどで購入できます。
初めて購入される場合は、専門のスタッフがいるお店でたずねてみましょう。
お気に入りの香りを見つけてみませんか?
ハーブティー
ハーブティーはカフェインが含まれていないので寝る前にも適しています。
種類によって、精神安定、眠りのホルモン分泌の刺激、自律神経のバランス調整などの効果が知られています。
温かい飲み物
口に何かを入れたり、飲み込むことによって精神を安定させます。
一杯の温かい飲み物は心をほっとさせ、緩めてくれます。
タバコはお勧めできませんが、緑茶、紅茶、コーヒー、ココア、ホットミルクなどを上手に生活に取り入れてみましょう。
感情を刺激しよう
■笑う効果
笑うことは健康につながります。
笑うと脳の血流量が増え、脳が活性化されます。免疫機能が正常化して、自然治癒力が高まります。
お笑い番組、落語、コメディーなどを見て、声を出して笑ってみましょう。
■泣く効果
大人になると、生活の中で泣くことはほとんどありません。特に男性は泣くことを我慢していたりしませんか。
しかし、泣くこともメンタルヘルスにとって大切なことです。
感動したとき、悲しいとき、うれしいとき、心の感じるままに泣いてみるのもいいかもしれません。
からだをほぐす
ストレスがかかると身体には力が入り、筋肉が固くなって血流が悪くなります。この状態が長く続くと、肩こりや頭痛に発展します。
ストレッチ、入浴など「からだをほぐす」活動を意識的に取り入れましょう。身体がほぐれることによって、こころもリラックスできます。
筋リラクゼーション、腹式呼吸法、入浴、リラクゼーションマッサージ、ストレッチ、自律訓練法
筋リラクゼーション
筋リラクゼーションとは、筋肉を弛緩させることをさし、筋肉を緊張させた後に力を抜いて緩め、その部分がリラックスしたことをはっきりと感じることが大切になります。
■腕のリラクゼーション
1)両手をぎゅっと握り、ひじを曲げて胸の前に両手を引き寄せます。力をこめたまま5秒~8秒その状態を保ちます。
2)次に、力を抜いて腕をだらんと下にたらし、10秒間リラックスします。
3)これを2回~3回繰り返しましょう。
■肩のリラクゼーション
1)肩をギュッとすぼめ、そのまま緊張を保ち続けます。(約10秒)
2)リラックスします。十分に肩を落としてリラクゼーションを感じ取ります。首と肩がリラックスしています。(約20秒)
3)もう一度肩をすぼめ、ぐるぐる動かします。肩を上下、前後に動かして、肩と背中の上の方に緊張を感じ取りましょう。(約10秒)
4)肩をもう一度落として、リラックスします。(約20秒)
腹式呼吸法
不安をやわらげ全身をリラックスさせる効果があります。
1)仰向けに寝て行うのがやりやすいでしょう。膝を曲げ、腰を十分に床に付けます。
2)両手をおなかに当てて、おなかの温かさに意識を向けます。
3)2,3回自然に呼吸し、息を整えます。
4)ゆったりと口から息を吐き、このときに腹筋を使っておなかをへこませます。
おなかをゆるめ、今度は鼻からゆっくりと息を吸います。
自然におなかに空気が入ってきて、おなかが持ち上がります。おなかが上下するのを十分に手で感じましょう。
入浴
体温に近いぬるめのお湯は、副交感神経を刺激し鎮静効果が得られ、血行がよくなり肩こりなどがやわらぎます。
入浴剤は保温、保湿効果もあるので、好みや気分に合わせて色や香りを楽しむのもいいですね。
リラクゼーションマッサージ
身体の一部を上手にマッサージするだけで、全身の血行がよくなり、リラックスできます。
足裏マッサージ、ふくらはぎのマッサージ、肩のマッサージなど
ストレッチ
のびのびと身体を伸ばすことで身体の緊張がほぐれ、リラックスできます。
■気持ちよく効果的なストレッチにするために
・伸ばす筋肉を意識しましょう。
・伸ばす方向と力を入れる方向を意識しましょう。
・無理して伸ばす必要はありません。
・「気持ちがいいな・・」と感じる程度に
・息をとめないで。ゆっくり息を吐き出しましょう。
・反動はつけません。ゆーっくり伸ばしていきます。
・1つの動作を20~30秒保ってみましょう。
自律訓練法
自律神経の働きのバランスを回復させる治療法の一つで、体調を整えることに役立ちます、血流が良くなり、
皮膚温が上がり、呼吸が落ち着き、胃腸の働きも良くなって健康が回復します。
■やってみよう
1回の練習は3分~5分。練習後は必ず消去動作を行います。
1)姿勢は、なるべく身体の力が抜けて楽な姿勢をとることが大切です。
ベッドに横になったり、椅子に座ります。両足はくっつけないで、両手は軽くひざの上においてください。そして軽く目を閉じてください。
2)呼吸は、少し吸って、ゆっくり長く吐きます。3回くらい深呼吸をすると気持ちがだんだん落ち着いてきます。
自己暗示の練習・・・「気持ちが落ち着いている」という言葉を頭の中でゆっくりと2~3回繰り返します。
無理やりでなく、「少し楽になった」という気持ちで大丈夫です。
3)受動的注意集中・・・「落ち着いた気持ち」のままで、「右手→左手→右足→左足」と、「これが私の右手なんだなぁ」と順々に感じていきます。
4)重感の練習・・・次に重たい感覚の練習です。右手に軽く注意を向け、「右手が重たい」という自己暗示をゆっくり3回くらい繰り返します。「なんとなく重たい」「なんとなくだるい」感覚をつかみましょう。「右手→左手→右足→左足」と順に進めます。
5)温感の練習・・・同様に温かい感覚の練習をします。「右手が温かい」とポカポカしてくる感じを感じてください。「右手→左手→右足→左足」と順に進めます。
6)消去動作・・・上のステップから、重感、温感が感じられるようになったら、「気持ちが落ちいている」を2~3回繰り返し、リラックスしている状態を味わってください。少し眠くなることがありますが、就寝前の場合はそのまま眠っても結構です。しかし、それ以外のときは、だるさが残ることがありますので、必ず「消去動作」を行ってください。
〈消去動作〉まず、両手を強く握ってこぶしをつくり、それをぱっと開きます。これを2~3回繰り返し、次に両腕を曲げたり伸ばしたりします。大きな伸びをして、2~3回深呼吸をして目を開きます。
考え方を変えてみる
ストレスがたまっているときは、考え方が偏りやすく、そのためにつらくなることが多くなり、その結果ますますストレスがたまる・・・という悪循環におちいりがちです。ふだんから「少し視点を変えて考えてもみる」、そんな練習をしておきませんか。
別の面から考え直してみる、日記をつけてみよう、信頼できる人に相談するなど
別の面から考え直してみる
ストレスがたまっているときは、考え方が極端になりがちで、そのためにつらくなることが多くなっています。
思考の偏りにはパターンがあり、このパターンを知ることで、自分の思考が狭くなっていることに気づくこともできます。
もし、ネガティブな思考に偏りがちならば、日ごろから「もし、ポジティブに見てみると・・」と考え直す練習をしてみましょう。
「半分しかできなかった・・」は「半分もできた・・」と考え直すことで、次の行動が楽に・積極的になりますよね。
日記をつけてみよう
出来事だけでなく、そのとき自分が感じたことや考えたことを書くようにします。
気持ちを溜め込まず、吐き出すことができますし、文章にすることで、客観的に捉えなおす機会にもなります。
「何かいいことあったかな?」と探してみるとポジティブに物事を考える練習になりますよ。
書きたい気分の日だけでもOKです。
信頼できる人に相談する
苦しいとき、つらいときは家族や友人と、ただ話をするだけで、また一緒にいるだけで、気持ちが楽になることがあります。
また、信頼できる人に話を聞いてもらえれば、聞いてもらうことで安心できるし、一息つくことができるでしょう。
話の中から、違う考え方のヒントに気づくことができるかも知れません。
「3人寄れば文殊の知恵」これは人と人のつながりやふれあいが持っている力の効果のひとつです。
身体の健康を保つこと
なにはともあれ、身体の健康を保つことは大切です。
特別な秘策はありません。できることから、毎日コツコツ積み重ねていきましょう。
規則正しい生活、バランスの良い食生活、適度な運動習慣づくり、より良い睡眠のためになど
より良い睡眠のために
健康づくりのための睡眠指針 ~快適な睡眠のための7箇条より~
■快適な睡眠でいきいき健康生活
睡眠には、疲労を回復し、ストレスを軽減する働きがあります。定期的な運動習慣は熟睡を促進します。高齢者の場合は、夕方の軽い散歩なども効果的です。また、朝食をとることにより、心と身体を目覚めさせ、元気に一日を始めることが重要です。空腹でも満腹でも快適な睡眠を妨げるため、夜食をとる場合はごく軽くとることです。
■睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター
睡眠時間や睡眠パターンは人それぞれで個人差があります。8時間にこだわる必要はありません。
年齢を重ねると睡眠時間は短くなるのが普通です。
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減るため、日中元気に過ごせているかを目安にします。
■快適な睡眠は、自ら創り出す
就寝4時間前以降のカフェイン摂取は睡眠を妨げる傾向があります。
また、睡眠薬代わりの寝酒は、睡眠が浅くなったり、断続的になるなど睡眠の質を悪くします。
快適な環境づくりのためには、不快な音や光を防ぐ環境づくりや自分にあった寝具を使うことなどの工夫をしてみましょう。
■眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせる
眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ、寝つきを悪くするため、軽い読書、音楽、香り、ストレッチなど、自分にあった方法で、心身ともにリラックスするよう心がけましょう。
眠くなってから寝床に着くようにすることが推奨されます。
ぬるめの入浴が寝つきをよくします
■目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン
ヒトの脳内には生体リズムをコントロールする体内時計があります。
日光は、眼を通じて体内時計を刺激し、一日の行動に適したリズムを作ります。
早起きが早寝に通じることはもちろん、眼が覚めたら適度な日光を浴びるようにすることが快適な睡眠の確保につながります。
■午後の眠気をやり過ごす
長い昼寝や夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼすことが多いため、昼寝が必要な場合には、午後3時前の20~30分の短い昼寝でリフレッシュしましょう。
■睡眠障害は専門家に相談
寝付けない、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう、十分眠っても日中の眠気が強いことが続くような場合は、身体や心の病気の症状として現れていることがあります。
一人で悩まず医療機関や保健所などに相談しましょう。
ひどいいびきや足のむずむず感、歯ぎしりなども医師・歯科医師に早めに相談することが推奨されます。また、うつ病では、早朝に目が覚めたり、熟睡感がないなどの特徴的な睡眠障害を示します。こうした特徴的な睡眠障害を初期のうちに発見し適切に治療することにより、うつ病の悪化を予防し、さらに近年問題になっている自殺を予防することにもつながります。